現代のキャバクラは超ルッキズム主義
水商売は、「見た目」で勝負する要素が非常に強い仕事です。
もちろん継続して指名を取るなら、会話力や気配りも関係してきますが、第一印象の段階で外見が合格点に達していなければ、スタートラインに立てないことが少なくありません。特に今のキャバクラの多くは20代前半から中盤の若さや華やかさを前面に出すことでお客を惹きつける…その要素が最大級です。
つまり「見た目」の良さは、今の言葉で言うところの「ルッキズム主義」。これは時代背景ともリンクしています。SNSやマッチングアプリの普及で、人々はプロフィール写真や短い動画で瞬時に「あり・なし」を判断する習慣に慣れてしまいました。キャバクラの現場も例外ではなく、外見的な魅力が強い女性ほど短期間で人気が集まり、短期的な収入アップにつながります。逆に、どれだけ話し上手でも第一印象で弾かれるとチャンスが巡ってこない…というか、採用すらされません。
実際、面接の時点で「見た目基準」が非常にシビアに働きます。
容姿が整っている、スタイルが良い、若さがある、といった条件は必須。さらに髪型やメイクのセンス、ドレス姿での映え方など、細部まで審査されます。つまりキャバクラにおけるルッキズムは「顔」だけでなく、「総合的なビジュアル演出力」そのものを意味しているのです。
そして、SNSのフォロワー数も大きく関与してきます。
つまり、外見に自信がある女性にとっては大きな追い風になります。20代前半で、流行を押さえたメイクやファッションを取り入れ、写真映えする雰囲気を持っている人なら、キャバクラの舞台では圧倒的に有利です。キャバクラは「超ルッキズム主義」を追い風にできれば、最高の職種です。
高級クラブもルッキズム主義だけど、そうでもない要素も…
高級クラブもまた、入口の時点ではルッキズムの影響を大きく受けます。
銀座や六本木といった一等地で、ラグジュアリーな空間にふさわしい女性であるかどうかを、容姿や雰囲気で判断されるのは事実です。洗練された外見や品のあるスタイルは最低限求められますし、清潔感や姿勢ひとつで採用の可否が変わることもあります。つまり、キャバクラ同様「見た目が大事」という原則は存在します。
しかし、高級クラブがキャバクラと決定的に違うのは結果的に見て「ルッキズム一辺倒ではない」という点です。高級クラブに来店するお客は企業経営者や著名人、長年通い続ける常連客が多く、彼らが求めるのは一瞬の刺激的なビジュアルだけではありません。外見を入口にしつつも、そこから長く通ってもらうためには「その人本人の人間的な魅力」であることが大きいのです。もちろんルッキズムが機能していないわけではありません。ですが、お客の中には、「この人の力になってあげたい」「この人を応援してあげたい」…そんな気持ちから、可愛がられる女性がいるのです。
また、高級クラブでは「ただ可愛いだけの若い子」よりも「年齢を重ねていても、安心感や品格を備えている女性」に安心するお客が多いことは確かです。実際に、30代や40代でも人気を保ち続けているホステスは珍しくありません。それは、彼女たちが外見以上の付加価値を提供できているからです。
つまり高級クラブは、ルッキズムに入口の審査基準としての役割を持たせながらも、その後の評価は「人間性」「知性」「社交力」によって大きく左右されるというわけです。見た目だけで勝負したいならキャバクラ、見た目+人間力を武器にしたいならクラブ。両者の違いは、このバランスの取り方にあると言えるでしょう。
客層にこだわるのなら断然高級クラブ
キャバクラと高級クラブの最大の違いのひとつは「客層」です。
キャバクラに来店するお客は20代から40代の会社経営者や、高収入のサラリーマンが中心で、仕事帰りに仲間と立ち寄る人も多く、遊びの延長線上として利用されることが目立ちます。短時間でワイワイ盛り上がり、ストレス発散やお酒を楽しむことが主目的になるため、指名の継続や長期的な人間関係にこだわるケースは少なめかもしれません。
一方で高級クラブに通うお客は、有名企業経営者や役員、資産家、芸能関係者など、社会的地位が高く経済力に余裕のある人が中心です。彼らが高級クラブを訪れる理由は単なる飲みではなく「安心して時間を過ごせる社交の場」「人脈形成や信頼関係を築く場」としての側面が大きいことは確かです。
キャバクラ、高級クラブに共通しているのは、支払われる金額が一晩で数十万円から数百万円規模になることです。もちろんキャバクラには安キャバのことではありません。高級キャバのことです。
客層が違えば、そこで働く女性に求められる資質も変わります。
キャバクラでは瞬間的な楽しさや盛り上げ力が重視されるのに対し、高級クラブでは長期的な信頼を軸にした収入モデルが成立しやすいと思います。
また、高級クラブのお客は接待やビジネスの一環として訪れることも多いため、会話の内容や振る舞いにおいて女性の質がそのままお客自身の格に影響すると考えられています。そのため、外見だけでなく「一緒にいることで恥をかかせない女性」であることが最重要視されることは確かです。
もちろんキャバクラでも、仕事の延長で訪れるということはありますが、しっかりとした女性に接客をしてもらいたいお客は、高級クラブを選びます。これは事実です。
総じて言えるのは「どんな人に出会いたいのか」を基準にするなら、キャバクラと高級クラブは全く違う選択肢になるということ。短期的な盛り上がりやライトな客層を望むならキャバクラ、将来につながる客層との出会いや信頼構築を重視するなら断然クラブ。この違いを理解して選ぶことが、自分に合った働き方を見つける近道になると思います。
キャバクラで超高収入は一部の女性!?
高級キャバクラは「稼げる」というイメージが強く、実際に短期間で高収入を得られる可能性があります。しかし、現実にはその恩恵を受けられているのはごく一部の女性に限られています。
SNSなどでは、時給20000円などのキーワードが飛び交っていますが、このキーワードを釣られて、我も!と望む女性に火をつける役割なのです。
例えば、20代前半でモデル級のルックスを持ち、SNSで話題を集められるような女性は、キャバクラの世界で一気に人気を獲得し、短期間で驚くような売上を叩き出すことができます。ところが、全員がそのポジションに立てるわけではなく、大多数の女性は「場内指名を少しずつ取る」「お客から気に入られてボトルを入れてもらう」といった地道な積み重ねが必要です。その差が収入面に大きく表れてしまうのです。
さらに、キャバクラではシビアな競争もつきまといます。お店全体が「今夜いくら売ったか」という短期的な数字を重視するため、上位数人が圧倒的に稼ぎ、その他大勢は平均的な水準にとどまる構図になりやすいのです。つまり「一部の超人気女性」と「それ以外」で二極化しやすいのがキャバクラの特徴です。
もちろん、外見に自信があり、瞬発力のある営業が得意な女性にとってはキャバクラはチャンスの場です。ただし、「長く続けて安定的に稼ぐ」というモデルには不向きな面もあります。年齢が上がるにつれ新しい若い女性が次々と入ってくるため、維持するのが難しいのです。キャバクラで超高収入を手にする女性は確かに存在しますが、それは極めて限られた層に集中している、という現実を理解しておく必要があります。
H2 ガチ恋営業が得意ならキャバクラ?
キャバクラの大きな特徴のひとつが「ガチ恋営業」です。
これは、お客に対して「自分だけが特別だ」と思わせ、恋愛感情に近い熱量を引き出す営業スタイルのことです。お客に恋をしているような錯覚を与えることで、短期的に大きな売上を生み出すことができます。実際、キャバクラでトップを走る女性の多くは、このガチ恋営業を巧みに使いこなしていたりもします。
この営業スタイルが成り立つのは、キャバクラのお客が比較的「恋愛ごっこ」を求める傾向が強いからです。仕事帰りに立ち寄るサラリーマンや若い経営者たちは、非日常的な恋愛感覚を楽しみたい、癒されたいと考えて来店します。そこに「本当に自分を好きでいてくれるのでは」と思わせる雰囲気を作れる女性は、圧倒的な強みを持つことになります。
ただし、このガチ恋営業にはリスクも伴います。ひとつは、自分自身が感情的に疲弊してしまう可能性があること。お客をその気にさせるために恋愛感情を演じ続けるのは、精神的な消耗が大きいと感じる女性がいることは確かです。もうひとつは、ビジネスとプライベートの境界線が曖昧になりやすい点。場合によってはトラブルやストーカー的な関わりを招くリスクもなきにしもあらずです。
一方で、高級クラブでは「ガチ恋営業」はあまり歓迎されません。
高級クラブの客層はビジネスや社交を目的に通っており、恋愛的な駆け引きを必要としない人が大半だからです。むろんこれは建前上のものかもしれませんが、表立ってその目的を露わにしているお客は皆無です。このような目的を持つことを「お子ちゃま」と思われる風習、暗黙の了解があるからです。
つまり、過度に個人的な関わりを演出すると「信用できないお客」「めんどくさいお客」として、敬遠されてしまう場合がほとんどだからです。
したがって、ガチ恋営業に自信があり、恋愛的な空気を演じることに抵抗がない女性はキャバクラで力を発揮しやすいでしょう。逆に、長期的に安定して働きたい、恋愛感情を持ち込まれたくない、という女性は高級クラブの方が適しているといえます。
結論だよ!
キャバクラと高級クラブは同じ水商売のカテゴリでありながら、求められる要素も働き方のスタイルも大きく異なります。キャバクラは「超ルッキズム主義」の世界であり、若さや外見のインパクトを最大限に武器にして短期間で稼ぎたい女性に向いています。ガチ恋営業や瞬間的な盛り上げが得意で、恋愛ごっこを演じることに抵抗がない人であれば、一気に高収入を掴むチャンスもあります。ただし、その収入は一部の女性に集中しやすく、長期的に安定させるのは難しいのが実情です。
一方で高級クラブは、入口こそルッキズムが働くものの、その後は外見だけでなく「教養」「安心感」「品格」「人間力」が大きく関係してくる世界です。客層も上場している企業経営者や社会的地位の高い人が中心で、恋愛的な駆け引きではなく、信頼できる女性として長い付き合いができるかが問われるケースが多いです。そのため、年齢を重ねても安定的に評価されやすく、長期的にキャリアを築きたい女性に向いているのです。ただし入口は30代前半までがほとんどです。
結論としてまとめるなら、キャバクラは「短期勝負で外見と恋愛力を武器にする場所」、高級クラブは「長期勝負で人間力と信頼を武器にする場所」と言えます。自分がどちらの資質を持ち、どんな働き方を望むのか。その答えによって、選ぶべきフィールドは自ずと見えてくるでしょう。
財前和也をよろしくお願いしますね!